そうしたことが、また自分の実力となって、新しい仕事につながっていきました。
50年のビジネスマンとしての人生は、チャレンジングなものでした。
68歳になってもまだこのような仕事ができるのは、そのような積み重ねの結果ですよ」よくわかるのである。
私が技術者や技能者の話を聞くのが好きなのは、そこに人生のごまかしがないからである。
工場の仕事には、「どう話せば相手が喜ぶか」とか、「誰に気に入られるために努力をするか」といったことが不要である。
技術にはごまかしがきかない。
気配りでフォローすることができないのだ。
だから工場では険悪な顔や狛介な顔に出会うことがないのである。
ソーデナガノのH社長もそうなのだが、Kさんは高校を卒業したときにこのような「未来」を予測していたわけではない。
また、それぞれが「坂の上の雲」として、こうした人生を設計あるいは目標としてきたわけでもない。
さしあたっての仕事の困難を一つひとつ乗り越えてきたことが、今日につながっているのである。
『日本型キャリアデザインの方法』(という本のなかに、「筏下りと山登り」という箇所がある。
入社して10年から20年は職変、転勤、人事異動など、予期せぬ出来事のなかで、必死になって仕事に取り組み(激流での筏下り)、そのなかでビジネスマンとしての基礎力を磨く。
そして力を付けてから自分の「成長目標」(山)を選んで、そこに上りつめる。
それが「筏下りと山登り」なのだが、お二人の人生を聞いていると、本当にそうだと思う。
当たり前のことだが、人生というのは生きるに値するし、けっこう楽しいものなのだ。
会社というのは人を育てることによってのみ、自らを育てることができる。
会社はよい人生を送るツールだとまではいうまい。
辛いこと、かなしいことは無数にある。
しかしにもかかわらず、というよりそれゆえ、多くの人にとって会社抜きの人生はない。
そこで十全に生きることがなければ人生はつまらなすぎるではないか。
社員が社長になるシステムづくりここに登場する全ての会社がそうであるように、中小企業は中途採用者によって成り立っている。
新卒だけで要員が足りるということはあまりない。
もちろん地域の有名企業で社員数200名を超えるようになったりすると、基本的には新卒採用が中心となるが、それでも良い人間がいればヘッドハンティングするし、積極的な中途採用をためらわない。
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